2026/03/14 16:00

何年か前にネットで買った木箱があります。
庭に置いてあるのですが、実はずっと少し持て余していました。
最初は、その中に大きな不織布鉢を入れて花を育てていました。
ところが、木箱と不織布のすき間にナメクジが発生するようになり、管理が面倒に。
花が終わったタイミングで、その使い方はやめてしまいました。
その後は、風で飛ばされそうな小さな鉢を入れてみたりもしたのですが、うまく配置しても2〜3個しか入らず、どうも中途半端。

「この木箱、どう使うのが正解なんだろう?」
そんなことを思いながら、しばらくそのまま小さな鉢を入れて使用していました。
ベジトラグの整理と、苺の行き先問題

自宅では、鉢植えのほかに「ベジトラグ」でも野菜を育てています。
葉物野菜を中心に、ラディッシュやバジル、ネギなど、季節ごとにいろいろ楽しんでいます。
畑も借りているのですが、そちらは大型の野菜や、あまり細かな管理が必要ないものを育てる場所にしています。
この春、ふと
「ベジトラグでジャガイモを育ててみたい」
と思い立ちました。
そこで、ベジトラグの中の野菜を整理することに。
秋に種まきした小松菜やほうれん草は、冬を越えてもまだ小さかったのですが、お味噌汁に入れて美味しくいただきました。
人参は夏に種まきをして秋から冬にかけて育ててきたもの。
見た目からして小さそうでしたが、試しに抜いてみるとやはり短くて小ぶり。
でも集めてみるとそれなりの量になり、炒め物や糠漬けにして楽しみました。
問題は苺です。
ホームセンターで買ってきた苗から増やした子株たち。
最初に育てたときは収穫量が片手に乗る程度で、「苺はスーパーで買った方がコスパがいいかも…」と思ったのも正直なところです。
でも、これから花がつく時期。
処分するのはちょっとかわいそう。
「今年もう一度収穫して、それで終わりにしよう。」
そう決めた結果、苺3株の引っ越し先が必要になりました。

思いついたのは「木箱専用ポット」
移動先として最初に思い浮かんだのは、借りている畑。
でも週に1回しか行けないので、受粉のタイミングを逃したり、虫の被害に気づくのが遅れたりする可能性があります。
やはり自宅で育てる方が安心。
そこで思い出したのが、あの木箱でした。
「木箱にぴったり合うポットを作ればいいのでは?」
せっかくなので、3Dプリンターで作ってみることにしました。
ポットの設計を考える
以前ナメクジが出たこともあり、木箱の中は湿気がこもりやすいと考えました。
そこで、通気性を重視した構造にすることに。
考えたポイントはこんな感じです。
ポットに脚をつけて底を浮かせる
鉢底穴はなるべく多く
側面にもスリットを入れる
使わないときは重ねて収納できる形
ただし、重ねられる形にすると土の容量が減りがちなので、そこはなるべく減らないようにバランスを考えました。
形のイメージは、割とすぐに固まりました。
木箱は意外とサイズがバラバラ
次に、木箱のサイズを測ります。
天然木なので、紫外線や雨の影響で少し歪んでいるようで、前後左右で5〜10mmほどサイズの差がありました。

多少余裕を持たせた設計にする必要がありそうです。
苺のサイズも考えながら、
・小さすぎない
・大きすぎない
・木箱にちょうど収まる
そんなサイズを探っていきました。
苺が終わったあとはハーブを育てることも考え、4号鉢以上の容量を目安にしました。
最初は木箱を6分割する案も考えました。
そうすれば
・4マス使って大きなポット
・2マスで細長いポット
など、組み合わせの自由度が高くなります。
でも6分割だと、1つのポットがかなり小さくなってしまう。
今育っている苺には少し窮屈そうです。
そこで今回は、木箱を4分割するサイズにすることにしました。

苺を3株植えて、残り1つはハーブ用。
そんなイメージです。
ポット同士の間には、指が入るくらいの隙間も作りました。
取り出しやすくなりますし、通気性もよくなります。
さらに、害虫よけネットの支柱が通るスペースも確保してサイズを決定しました。
サイズと構造
最終的なサイズは
W189 × D120 × H165mm
脚の高さは 5mm。
鉢底穴とスリットは、できるだけ多く入れました。
脚はポット本体とは別で印刷し、接着する方式に。
本体側に少し窪みをつけて、接着面がフィットするようにしました。
3Dデータ化は夫の担当
形とサイズが決まったら、次は3Dデータ化です。
ここからは夫にお願いしています。
私にとって3Dモデリングソフトは、まだちょっと難しいので。
簡単な設計図を描いて、夫に説明。
話しながら設計図にメモを書き込み、やり取りを重ねて形にしていきます。
そしてデータが完成したら、いよいよ印刷です。
印刷時間は「1個6時間」
素材も悩みました。
3Dプリンターのフィラメントにはいろいろ種類がありますが、今回は
PETG(耐候性が高い)
PLA(一般的な素材)
この2種類で試してみることにしました
色は、木箱のダークブラウンに馴染むよう黒を選びました。
印刷時間は、1個あたり約6時間。
途中で失敗しないか、イメージ通りになるのか、ちょっとドキドキします。
そして案の定、1個目は失敗。
一層目の定着がうまくいかず、途中で割れも発生しました。
原因は、脚の接着部分に作った窪みと、そこに入れた小さなサポート構造。
その失敗を受けて設計を変更し、
脚に突起をつけ、ポット側に受けを作る構造にしました。

完成した木箱用ポット

設計を少し変更してからはトラブルもなく、残り3個は無事に印刷できました。
失敗した1個も、自分で使うものなので、接着剤と防水テープで補修して使うことに。

さっそく木箱にセットしてみると、余裕を持たせた設計のおかげで問題なく収まりました。

苺の植え替え

晴れた日に、苺の植え替えをしました。
奥行き120mmは少し浅く感じるものの、幅と高さがあるので、苺の成長スペースとしては十分そうです。
縦長の形は、ハーブにも合いそうな気がします。
これから検証していきます

この木箱用ポットは、これから実際に使いながら
・耐候性
・耐久性
・耐水性
などを見ていく予定です。
何シーズンか使ってみて、またその結果を記録したいと思います。
